nokの雑記

技術的な内容にしようと思ったけど無理でした。

DENON AH-D5200を買った

(追記) 上位機のAH-D9200も買いました→ https://nok0714.hatenablog.com/entry/2020/12/27/233654

だんだん買うヘッドホンの価格が上がっててヤバイ

TL; DR

  • K712とキャラがモロに被らず、低音域が出るエネルギッシュな一本が欲しくて購入
  • 密閉型らしく、広い空間表現ではないが、逆に言えば音が逃げないので力を感じる
  • ゼブラウッドハウジングが効いているのか、全域でエネルギーがありつつも節度を忘れないバランス

顛末

 HD598→K712PROと開放型が2つあるので、そろそろ密閉型が欲しいなーというのが第一の理由です。第二の理由はK712PROの線の細さがちょくちょく気になる点。ちなみにHD598はウォームな感じは悪くない一方で低音がボッワボワなので作業用になっています。
 K71PROはとても良いヘッドホンだと思っています。特に中・高音域が繊細に出ており、ストリングス類(含アコギ)が綺麗です。が、しかしその繊細さは骨太な印象のある曲を聴くには少し弱いのです。
 ということでK712PROの繊細さを多少マイナスして、しつけの良い低音を少し足した密閉型(とか書いてますが鳴り方がガン被りしなければよいのです)を探しました。

機種選定

 試聴してみて主にこのあたりがなんとなく良いのではないかと思いました。なお糞耳による印象です。

  • SONY MDR-Z7M2: eイヤホン店舗でZX300からのバランス接続を聴いてひっくりかえりました。空間表現が異次元というか……(バランス接続によるものもあると思いますが)
  • Audio Technica ATH-SR9: 金属感が多少ある音で、低音も高音も硬めに作られているという印象を受けました。弟分?のMSR7bはもろ金属(SONYの1AM2にも同じような印象を受けました)だったのでそれよりは大幅に良い躾具合だと思います。
  • DENON AH-D5200: えーっ木でござるかあ?と思っていたのですが、試聴して驚きました。密閉型らしい密度感のある音ながら、細かい音まで聴きとれる解像度があるように思われました。

 結局買ったのはDENON AH-D5200なのですが、当初はZ7M2の予定でした。ちょうど価格がありえん下がっていたタイミングだったので買おうと思っていたのですが、迷っている間に値下げが入る前の価格になってしまいました。一方PayPayの20%還元キャンペーンで良い感じに安くなるということで、SR9とD5200が一騎打ちになりました(なおちょっと試聴して禅のHD660Sバカ良いわねと思ったのですが、開放型だし自分の予定価格よりかなり上だったので断念)。
 SR9の金属ぽさが少し気になったので、(アコースティック系が綺麗に鳴ってほしいな~という思いもあり)D5200に決定しました。店頭提示約5万に対して20%のPayPay還元と8%のビックカメラポイント、ヘッドホン本の3000円引き、手元のポイントをつかって結局3.2万円くらいで購入できました。わーい。

スペック・特徴とか

 ドライバは50mmフリーエッジドライバとなっています。大口径ですね。インピーダンスは低めの24Ωです。ケーブルは両出しとなっており、本体側はリケーブルの製作が容易(?)な3.5mmモノラルジャック両出しです。ちなみに標準のケーブルは3mあるのでちょっと長いです。1.2mのショートケーブル付けてほしかった……。
 そしてなにより特筆すべきはそのハウジング。ゼブラウッドなる木でできています。ウッドハウジングはDx200シリーズで共通の特徴になっており、機種ごとに材質が違います。最上位機D9200では孟宗竹(すっごい軽そうだし変な響きが出そうだけど大丈夫なんですかね)、上位機D7200ではウォルナット(スピーカーで多用されますね)となっています。↓実機の写真。ヘッドホンの横方向(写真の縦方向)にゼブラウッドと呼ばれる所以の木目(?)が見えますね。

 ところで私の購入した個体だと右のハウジングにニス?が変に盛り上がっている箇所(指でなぞるとわかる)があるのですが、個体差の範囲内ですか?

実際に聞いてみて(ここから先は個人の感想です)

 手持ちのK712PROと主に比較します。価格帯としてはK712PROのほうが少し下になりますかね。
 まずは装着感から。3D縫製の分厚いイヤーパッドとなっていますが、言うほど付け心地は良くないような……?パッド自体はの品質は良いのですが、形状の関係か肌に触れた瞬間「ん?」と思ってしまいます。耳の下側だけちょっと接触圧が低い感じです。つけて数十秒経てば気にならなくなりますが。また、側圧も少し高めです。逆に言うと一度良い位置に収まると多少頭を動かす程度ではズレないのでそこは〇。なお木のハウジングのせいかそれなりに重さがあるので結局側圧と重さに疲れてきます。
 K712PROでは比較的軽い付け心地で、側圧もそう強く感じないので、それと比較すると長時間ずっとつけているのはつらくなる気がします。ヘッドホン自体も少し重いですし。2機種で共通なのはしばらくつけているとヘッドバンドが当たるところが痛くなってくるってところでしょうか。

 実際に音がどのような感じか確かめていきますが、環境としては主に

  • SONY Walkman A55 直挿し
  • PC(Music Center / iTunes) -(USB)- UDA-1 -(Line out)- PH-A2J

という感じです。本体のインピーダンスがそんなに高くない(24Ω)ため、ポータブルでもそれなりに音が取れます。逆にPCからだと音量が取れすぎててアンプのボリュームがかなり低いエリアに行く(ASIO排他だとアンプが出すラインレベルがかなり高い)のでギャングエラー領域に突入しかかってしまいます。ちょっとボリュームひねるだけで頭痛いレベルにまで上がってしまうので、60Ωくらい確保しててくれてもいいと思うな~。
 さて音の具合ですが、K712PROよりは線の太い音で、全域にエネルギーがありながらシャープさは失わない印象です。密閉型なのも手伝っていると思います。締りが良いうえによく出ている低音が見事です。ベースラインが美しい(美しい)。中・高音も伸び伸びに伸びるわけはなく、節度よくタイトな鳴り方です。
 また、音源に多少悪いところがあっても、味付け過剰にならない程度にうまく料理して気持ちよく聞かせてくれるキャラクターをしているとも思います。K712PROでは音源そのままに団子のように出てくるようなところや、割れたようになってしまうところでもそれなりに聴けます。モロ割れてるとどうにもなりませんが。
 一方で密閉型らしい音場の狭さもあります(定位感と左右の分離感は良いですが…)。ゼブラウッドの鳴りの少なさも手伝っているのでしょうが、そこに空間があるという感じはあまりしません。

 総評としては、音楽をイイカンジに楽しく鳴らしてくれるヘッドホンだと思います。クラシックよりはロックをよく聴く方は新しい5万程度のヘッドホンを買う際の候補にどうでしょう。ベストバイかと言われるとゼンハイザーのHD6xxがあるのでなかなか難しいかもしれませんが……。そういえば某匿名掲示板で見た「ハイファイ寄りな鳴り方」という表現は意外なほどしっくりきます。


鳴り方を確かめているときに主に聴いていたアルバム(同じものをK712PROでも同時に聴いて比べていたわけではないです)(注釈がない場合は基本CD音源をロスレスで取り込んだもの)

  • 魚図鑑(Disc 1) / サカナクション - シンセとエレギが気持ちよいですね。セントレイのイントロで一気に音が増えるあたりとか。だいたいどの曲も視聴。
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION (Disc 2) / Shiro SAGISU Music from EVANGELION: 2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE. - 管楽器とリズム隊が小気味よいですね。L'Agresseurは両耳レイプ感ありますけど。ノリの良い曲をかいつまんで視聴。
  • [(an imitation) blood orange] / Mr.Children - 主にMarshmallow dayと過去と未来と交信する男を視聴。
  • HOME / Mr.Children - フェイク。新しいヘッドホンやイヤホンを買うたびに聴いてるので自分のリファレンス曲と化しつつある1曲。サビではタカタカタカタカ...って何かの楽器がRchとLchをぐるんぐるんしてるんですが、それが埋もれてしまってあまり聴こえないのは残念です。音場の狭さが原因で、妖しさも失われてしまっています。この曲はぜったいK712PROのほうがよく鳴る。
  • BEST OF TOKYO SKA 1998-2007 (Disc 1&2) / 東京スカパラダイスオーケストラ - めくれたオレンジや美しく燃える森などを主に。
  • THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+ GRE@TEST BEST! - COOL & BITTER! - / 765PRO ALLSTARS+ - relationsやオーバーマスター、Honey HeartbeatとLittle Match Girlを主に。
  • その他アイマス関連曲いくつか(ミリオン、シンデレラ含む; ハイレゾ含む)
  • UnChild / SawanoHiroyuki[nZk]: Aimer - Next 2UとbL∞dy f8を主に(ともにハイレゾ)。bL∞dy f8では器機によってAメロがとても寂しい感じになるのですが、このヘッドホンではそんなことはありません。
  • スポーツ / 東京事変 - 電波通信や能動的三分間、絶体絶命を主に。
  • ヒアリズム / カラスは真っ白 - ヒズムリアリズムとフミンショータイムを主に。
  • μ's Best Album Live! collection (IもIIも) / μ's - 残念ですがいわゆる「音が割れてる」として。曲によってはボーカルのコンプレス?かかりすぎじゃないと思ったり。soldier gameはイントロから気分ノリノリで鳴ってくれました。ちなみにWILD STARSと輝夜あたりが音割れ楽曲として使われました。
  • グレイテスト・ヒッツ / スキマスイッチ - 奏のベースがすっごいです。ガラナの暑苦しさも見もの(聴きもの?)。

(追記)

実はデノンのUSBDAC兼ヘッドホンアンプのDA-310USBを使うようになりました。 ゲインをLow/Mid/Hiの3段から選べるのですが、AH-D5200はドライブしやすいのでLowかMidが適当ですね(ゲインごとに音の性格が少し違って、自分にはそもそもHiが合わなかったのもありますが)。

音については、さすがデノン+デノンというかかなり良いです。UDA-1+アナログの中華HPAはお役御免になりました(DA310の素性が良すぎる!)。 ゲインLowではうすーーーーーーーーーい膜を通したようなマイルド感のある音で、ちょっとメリハリが足りない感じですが聞き疲れはしない感じ、Midだと全域のエネルギッシュさが強調されて「これだーーー!!!!」という音になります。 音の広がり的にはあまり変化はありませんが、濃密度が変わりますね。