nokの雑記

技術的な内容にしようと思ったけど無理でした。

アルストロメリア(シャイニーカラーズ)を聴いてたら生まれた怪文書

10/02追記1: 用語部分と怪文書部分を分離するとともに、一部文章の修正を行いました。
10/02追記2: ユニットから見たこの曲について書き足しました。

発売予定は10月3日なのですが、9月19日に先行配信が開始されたアルストロメリア

www.lantis.jp

↑から配信サイトへ飛べます。個人的にはmoraのハイレゾがおすすめです。
Amazon

今までゲーム内やYoutubeで公開されていた同曲はショート版のみで、フルでの公開はこれが初です。
(ラジオや生放送でやってたらすみません。普段見ないんです)

ショート版からドハマリしてたんですが、フルで完全にやられました。

ということで現時点での歌詞解釈というか思いの丈をここに残そうと思います。

TL;DR : 詳しく読まなくていいからアルストロメリアを聴いてください。



アルストロメリアについて

アルストロメリア(ユニット)

アルストロメリア(ユニット)はアイドルマスターシャイニーカラーズにおけるユニットです。PVはこちら。

3人メンバーです。双子の大崎甜花・大崎甘奈に、お母さんお姉さんキャラの桑山千雪が加わっています。それぞれのキャラ付けはこんな感じ。

  • 大崎甜花: ぐうたら、という単語を当てられる程度には怠け傾向のあるキャラとして描かれています。シャイでなかなか自信を持てないけれど、妹に支えられてばかりではダメだと頑張る姿はプロデュースで!
  • 大崎甘奈: 姉とは反対にしっかりものとして描かれています。ゲームが始まってからは姉に注ぐ愛の大きさで話題をかっさらっていきました。姉の可愛さを知らしめるために、という旨の発言がありますが……
  • 桑山千雪: どういう経緯でアルストロメリアに加入したかは描かれていませんが、姉妹を見守るお姉さんです(シャイニーカラーズの16人のアイドルでも最年長)。暴走しがちな姉妹をビシッと指導するかと思ったら意外と流される面も。プロデュース中に夫婦ネタがあると思ったら公式4コマで掘り下げられているのでぜひ見よう。

そんな3人が送るファーストソングはユニット名と同名のアルストロメリア

アルストロメリア(曲)

 キャッチーなメロディで殴ってくる正統派な一曲。放課後みたいな元気いっぱいもいいですが、この「どこか寂しさと決意を感じさせる」感に完全にやられました。

以降でもっと掘り下げます。

アルストロメリア(花)

 ユリもしくは彼岸花の仲間(?)で、南アメリカ原産。様々な色の花があり、フラワーアレンジメントでも人気。アルストロメリア(ユニット)のロゴにもなっています。
 葉が根元で180度ねじれて、裏面が天を向くのが特徴です。後述の歌詞でも描かれます。
 花言葉は、アルストロメリア全般では「持続・未来への憧れ・エキゾチック・華奢」などがあてられています。また英語では「devotion(献身)・friendship(友情)」などがあるようです。
 個別の色では赤が幸い、白が凛々しさ、ピンクが気配り、紫が優雅さというのがちょっと調べたら出てきました(サイトによっては更に別の意味をもたせたりしています)。ジャケットではキャラに合わせてピンクx2と薄い紫の花が描かれていますね。
 アルストロメリアの花はロマンス的な愛よりも、深く結ばれた友情や親愛に近いものを象徴しています。それを踏まえるとこれからの歌詞がちょっと違って見えてくるのでは>

アルストロメリアとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版

アルストロメリア属 - Wikipedia

Alstroemeria Flower Meaning - Flower Meaning

Alstroemeria Flower – Meaning, Symbolism and Colors

歌詞関連

ショート版公開当時から哲学的な単語だったり、神様の名前だったりが謎を呼んでいましたが、フルではそれが加速してます。ということで自分なりに解釈していきます。

歌詞本体

Twitterで聞き取れる範囲で書いてくれている方がいるので,その方のものをベースに行きます。

以下ツイートをもとに自分なりにこうでしょと思うように改変。カッコ書きがあるところは聞き取れなくて確定できない部分。パート分けは全員(黒)、甜花(バイオレット),甘奈(ディープピンク)、千雪(ブルーバイオレット)で示します(一部自信ありません。コンサート時のパーソナルカラーどうなるんですかね)。

気絶しそう しどろもどろ 花盛りタレイア
まともな神経(あたま)が繋がらない アダージョみたい

凛々しくいよう 強くなろう 天と地がディストーション
夢を見ることも 忘れてしまうのかな

膨らむつぼみが 傷だらけでも
優しくそっと
 手を取ってくれますか

幸福論誕生 アイデンティティ見つけた
アルストロメリアの花 咲いた 咲いた Slient Love

過去も未来も諸事情も 君色に全部染まりたい
一途な私フィロソフィ 咲いた 咲いた Silent Love


ニヒリズムも ペシミズムも 退屈がテンプレ
まっ赤なリンゴは落ちてこない 木の上のまま

もしもいつか やがてきっと 初めからエンドロール
照れ隠しなんて 天邪鬼すぎるかな

ねじれた茎(バルブ)が 不完全でも
構わずずっと
 そばにいてくれますか

悲劇的最高 ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は 回る 回る Cipher


サチュレーション上げてよ バイオリズム果てまで
もっとドキドキしよう

幸福論誕生 アイデンティティ見つけた
アルストロメリアの花 咲いた 咲いた Silent Love

悲劇的最高 ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は 回る 回る Cipher

好きでも嫌いでも 君になら全部捧げたい
重なる仕草シンパシー 咲いた 咲いた Silent Love

愛が咲いた Silent Love

歌詞の用語・解釈

頭から行きます。1番にあたる部分はショート版にも入っていたので、当時からいろいろ考えていた人がいるのではないでしょうか。

1番 - Aメロx2

気絶しそう しどろもどろ 花盛りタレイア
まともな頭が繋がらない アダージョみたい

凛々しくいよう 強くなろう 天と地がディストーション
夢を見ることも 忘れてしまうのかな

 出てくる用語はこんな感じ。

  • タレイア: ギリシャ神話より。「開花」を司る女神or「喜劇」を司る女神
  • アダージョ: 音楽用語で「ゆるやかに」にあたる、遅いテンポ
  • 「凛々しくいよう」: 凛々しさは白いアルストロメリア花言葉
  • 天と地: 創世記の冒頭でも登場。歌詞的には言葉遊びの側面が強く、天は「てん」から甜花を、地は「ち」から千雪を示すというのがもっぱらのアルストロメリerの見解。
  • ディストーション: 音楽的には音の歪み。ギターでよくかけるやつ。

 ここから怪文書: それぞれ順に甘奈、甜花が担当。個人的にはずーっと「花盛りタレイア」と「天と地がディストーション」逆じゃない?って思ってます。気絶しそうで視界が歪む(ディストーション)ならつながりやすいです。意識の混乱具合を示すためにわざとあべこべにしたのかなあとも思えます。
 憧れの人を前に舞い上がってうまく話せない、落ち着きたい(=凛々しくいよう 強くなろう)空気が漂っています。最後の「夢を見ることも 忘れてしまうのかな」は「夢見がち」からくる甘いロマンティックさに関連して、自分がもっと凛々しく落ち着いた人になるとしたら、舞い上がるようなロマンスを夢見ることもなくなってしまうのかと考えている様だと思います。


1番 - Bメロ

膨らむつぼみが 傷だらけでも
優しくそっと
 手を取ってくれますか

 千雪が担当。サビに突入するための最後の部分だけ全員。特に珍しい単語は出てきません。
 ここから怪文書: しかし「膨らむつぼみが 傷だらけでも」に並々ならぬものを感じます。大きな隠し事、もしくは何かしら諦めたものが「傷」なのでしょうか。


1番 - サビx2

幸福論誕生 アイデンティティ見つけた
アルストロメリアの花 咲いた 咲いた Slient Love

過去も未来も諸事情も 君色に全部染まりたい
一途な私フィロソフィ 咲いた 咲いた Silent Love

 主に全員で、サビ後半ではそれぞれ細かく別れています。出てくる用語はこんな感じ。

 ここから怪文書: 自己を構成するアイデンティティアルストロメリアの花をあてているとしたら、友情に生きることになってしまいますが、それでいいのか。Silent Loveって言ってるし隠しちゃうんだろうか。ということでちょっと不穏じゃないですか?ショート版だとそんなこと微塵も考えてませんでしたが、2番以降を聴くとどうも違って聴こえてきます。


2番 - Aメロx2

ニヒリズムも ペシミズムも 退屈がテンプレ
真っ赤なリンゴは落ちてこない 木の上のまま

もしもいつか やがてきっと 初めからエンドロール
照れ隠しなんて 天邪鬼すぎるかな

 それぞれ甜花,千雪が担当。用語は…

  • ニヒリズム: 虚無主義。どうせ何したって無価値よ的な?
  • ペシミズム: 悲観主義。世界は悲しみに満ちているという捉え方。
  • 「真っ赤なリンゴは落ちてこない 木の上のまま」: 一部で楽園の果実だニュートンだって話になってたアレ。
  • 天邪鬼: いわゆるひねくれ者。歌詞としては言葉遊びの側面が強く、「天」が「あま」と読まれているので甘奈を、また「てん」とも読めるので甜花も示しているというのがもっぱらのアルストロメリerの見解。

 ここから怪文書: 前半ではニヒリズム・ペシミズムに対して「退屈」と言い切っています。続くリンゴですが、楽園の果実としても、ニュートンのリンゴだとしても、落ちなければ話が進まない(アダムとイブは楽園を追われず、ニュートン万有引力に気づかない)ので退屈と結び付けられると思っています。特に楽園の果実として見る場合はそれを食さなければ楽園を追われなかったのに(食べてしまった)、と考えると前半のニヒリズム・ペシミズムとも合致するか。 1番までの歌詞を踏まえると、関係が平行線であることに対するものとして捉えられますね。
 千雪パートでは頭で「もしもいつか やがてきっと」と言っていますがなんと続くのは「初めからエンドロール」です。前半で「関係が平行線」だったと仮定すると、夢見た未来は来ないどころか、出会ったときに運命が決まっていたことになってしまいます。不穏ですね。最後の照れ隠しは1番で舞い上がってしどろもどろになっている部分に対応しているのでしょう。


2番 - Bメロ

ねじれたバルブが 不完全でも
構わずずっと
 そばにいてくれますか

 甘奈が担当。用語は…

  • バルブ: 弁だと思ってました。球根のほうでした。

 ここから怪文書: 1番と同じように、完璧な自分じゃなくてもいいですか感が漂う歌詞。「ねじれた」に何か許されない恋的なものを感じずにはいられません。


2番 - サビ

悲劇的最高 ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は 回る 回る Cipher

 これも全員+細かいパート分けで構成。用語は…

 ~ここから怪文書: ~悲劇的最後 = ジャッジメントがくだらない だとすると、このまま平行線で終わってしまうのが一番の悲劇ということになる。~~悲劇的最高 = ジャッジメントがくだらない だとするとこれからも変化のない関係性を受け入れることになるが、どちらなんだろう。
 アルストロメリアの葉に仕込む想いが暗号という意味合いになる後半はまあ納得。愛を仕込んでますね。これは。


Cメロ・オチサビから大サビ

サチュレーション上げてよ バイオリズム果てまで
もっとドキドキしよう

幸福論誕生 アイデンティティ見つけた
アルストロメリアの花 咲いた 咲いた Silent Love

悲劇的最高 ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は 回る 回る Cipher

好きでも嫌いでも 君になら全部捧げたい
重なる仕草シンパシー 咲いた 咲いた Silent Love

愛が咲いた Silent Love

 パート分けが細かい。用語は:

  • サチュレーション: 飽和。最大限まで満たされていること。色がサチるとか勾配がサチるとか。
  • 倍音リズム: 倍音とリズムならそれぞれ成立するけど、1単語としては存在しないです。倍音は基本周波数の整数倍の周波数。
  • バイオリズム: 生物学的なリズム。ちょろっとググる限りではエセ科学らしい。
  • シンパシー: 共感。

 ここから怪文書: 問題の終盤。Cメロ(とはいってもサビのリズムだけど)は幸せ、アイデンティティに満ち満ちて、さらに深い領域に行こうとしているように見えます。ドキドキ無限大。
 そのまま1/2番のサビを入れて、大問題の最後。「過去も未来も諸事情も君色に全部染まりたい」って1番で言っていた一途な私フィロソフィはついにアルストロメリアの象徴するもの(devotion)に到達しました。「好きでも嫌いでも」ですよ。やはり単純に好き一辺倒ではない、深い親愛に行き着いています。

全体通して

 やはり単純な「好き」とは違うとしか言いようがありません。ショート版公開時はそうは思っていませんでした。だって1番だけ見ると完全に好きな人とデートして舞い上がって、変なテンションになってる人ですよ。サビで「君色に全部染まりたい」って言ってますよ。
 でもやはりユニットが「アルストロメリア」である事実は揺るがず、2番以降で本性を見せてきました。「リンゴは落ちてこない(=平行線のまま)」であったり、「初めからエンドロール」であったり、これ以上関係性が動かないことを匂わせています(もとから十分に深い関係だったのか…?)。
 そして大サビでついに「好きでも嫌いでも 君になら全部捧げたい」ですよ。ここまで来ると単なる好きとはとても思えません。もっと深いなにかに到達しています。たぶん。ロマンス的な愛情があっても、それもうまく包んで(Bメロのつぼみやバルブは本心が隠れているところと関係しているとも取れる)、全てを捧げる献身=アルストロメリアなのではないかと想います。

アルストロメリア(ユニット)と曲を関連付けて考えてみる

 アルストロメリア(ユニット)では千雪も含めて3人で姉妹といった感じの描写が多く見られます。甘奈・千雪が,甜花をサポートしているカットが多数あります。逆に姉妹が千雪と出かけるなど、単なるユニットより深い絆で結ばれています(筆者調べ)。
 一方で、甜花は甘奈に甘やかされていてはダメだと奮起していたり(だいたいのコミュでその傾向)、甘奈は甜花が遠くにいってしまうことを心配したり(プロデュース中)、姉妹の間にこれまではなかったであろうズレのようなものも見受けられます。千雪の立ち位置はなんとも微妙なのですが、主に姉妹にそれぞれ的確なアドバイスを送っている様子がうかがえます(【身支度はお任せ☆】甜花"不器用な努力"や【先生のお時間】千雪"世界にひとつだけ♪"など)。
 そんな観点からみると、姉妹としての関係の変化に嬉しさ半分戸惑い半分の甘奈・成長したいけど迷惑かけてばかりで凹む甜花のそれぞれの側面が見てとれる気もします。プロデュース中にそれぞれの心境にも変化が生じるので、ぜひゲーム本編で変わっていく2人を見つつ曲を楽しんでいただきたいと思います。
 千雪についてはこのエントリを書いている人間が雑魚すぎてちゃんとコミュを見られていないので、見たらまた追記します(【ブルーミングハート】千雪のコミュでは短いながら独白があるので、そのあたりが結構意味深か…?最近pSSRも追加されたので頑張りたいですね)。

曲としての面白さ

音楽スキルが無いので全然書けない&上の怪文書生成で疲れたので箇条書きで。

  • 1番Aメロ甜花パート: ゲームやってると気づかなかったけどハモリパートがあります。甜花の、だめな自分から変わらなきゃ、でも不安という感じが見事に出ていると思います。
  • 1番Bメロ: 拍子が変わるのが最大の特徴。1番ではスネアとアコーディオン(?)、ピアノだけ。
  • 1番サビ: キャッチーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
  • 2番Aメロ甜花パート: クラップ(?)が秀逸だと思います。ピアノと鉄琴(?)だとあまりにも細くなってしまうので。
  • 2番Aメロ千雪パート: 甜花パートから入るときの繋ぎが秀逸です。甜花パートがブレイク的に作用している感じに。
  • 2番Bメロ: 1番で披露してしまった変拍子。さて代わり映えは〜と思ったらドラムが入ってきます!!!!これだけでとても賑やか
  • 2番サビ: サビ前に短いブレイクがあるのがほんっと秀逸。歌詞の流れと合わせると「決意」を感じさせる。
  • Cメロ: サビと同じ(?)リズムで音の取り方を変えて来ているので、これから刺すぞ〜〜〜って予告ですね。「果・て・ま・で」の音の置き方完璧すぎじゃないですか?????????
  • 落ちサビ前半: ドラムが徐々に入ってくるこの盛り上がり感!!
  • 以降の大サビ: 「好きでも嫌いでも 君になら全部捧げたい」のメロディで優勝してる。このメロディだと切なさが漂うので……

まとめ

私がどう歌詞を捉えたかなんてどうでもいいのでアルストロメリアを聴いてください。